-->

2007年04月18日

抗うつ剤の副作用説をくつがえす研究結果が発表



シカゴ/米国 18日 AFP】米国で「若年の患者に抗うつ剤を処方すると自殺のリスクが高まる」という一般的な認識を覆す研究結果が、18日発売の米医学雑誌に発表された。

 若い患者への抗うつ剤の処方については、患者に自殺衝動が出たとする複数の研究結果が報告されてきたことから、医療現場では使用の是非をめぐり論争が続いてきた。実際、抗うつ剤には「小児と思春期の患者が服用すると自殺のリスクが高まる」という警告が添付されている。しかし、新しい研究結果によると、こうした「自殺のリスクは極めて低い」という。

■食品医薬品局により警告が義務づけられる

 2004年、米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は、抗うつ剤に「服用開始後の初期に、小児や思春期の患者で自殺リスクが高まる」旨の警告の添付を義務付けた。

 また、2006年には、小児と思春期の患者4400人を対象にした24の治験で、「抗うつ剤を服用した患者は、服用しなかった患者よりも(実際に自殺に至った例はないものの)自殺衝動が2倍高かった」とする結果を公表した。

 こうしたことから、医師は若年の患者に対して抗うつ剤を処方することに消極的になり、「若い患者には治療を施さない方がまし」といった風潮が広がっていた。

■新しい研究結果では「自殺リスクは1%未満」

 米医学雑誌「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に掲載された今回の研究では、1998-2006年に19歳以下の5000人以上に治験が実施された。使用された薬は、セルゾン(Serzone)、エフェクサー(Effexor)、レメロン(Remeron)、プロザック(Prozac)、ゾロフト(Zoloft)などである。

 計27の治験について、FDAとは違う方法で分析を行ったところ、抗うつ剤の服用を開始した若い患者のうち、自殺衝動を覚えたのは100人中1人以下であった。したがって、自殺リスクは1%未満という結果となった。ちなみに、実際に自殺した患者はいない。

 研究グループは、この結果によって自殺リスクが低いことが立証されたという。また、抗うつ剤は、小児と思春期の患者の不安障害に効果があり、強迫神経症や重度のうつ病に対しても、ある程度の効果があると結論付けている。

 さらに、現在、添付を義務づけられている「小児と思春期の患者が服用すると自殺のリスクが高まる」との警告は、やめるべきと提言している。

 写真はニューヨークの薬局で販売されている抗うつ剤、プロザック。(2005年1月4日撮影)(c)AFP/Getty Images/Stephen Chernin
posted by kou at 20:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/39261381

この記事へのトラックバック